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蚊を侮ることなかれ
マラリア
マラリアという蚊が媒介する病気はご存じでしょうか? WHO(世界保健機構)の資料によると、2017年にはアフリカを中心とした87か国で2億1,900万人のマラリア患者がいたとみられており、子供や妊婦等を中心に435,000人もの尊い命を奪っている恐ろしい病気です。ただ感染者の大半は免疫を持っているため、全ての人が重い症状をあらわす訳ではありません。これらの国の栄養状態や、住居環境の改善が図られれば、死者も大きく減ると言われています。
マラリアの歴史は古く、古代ローマのツタンカーメン王は、マラリアでなくなったという説もあるくらいです。また、熱帯地方特有の病気のように思われがちですが、日本でも、意外に関わりが深く、平安中期にはマラリアの間歇熱(かんけつ熱:発熱と悪寒の繰り返しのこと)が、「かわらやみ」や「えやみ」と呼ばれていたようです。『平家物語』の記述から、平清盛はマラリアで亡くなったと考えられており、また『源氏物語』の光源氏もマラリアにかかっていたと言われています。
近年になり、マラリアの治療薬「キニーネ」に一時効力があったことや、生活環境の改善、媒介蚊の減少、そして、金鳥の蚊取線香の登場によって、日本からは1959年の1例を最後に、消滅しています。
治療薬キニーネ
生活環境改善
媒体蚊の減少
蚊取線香