害虫コラム

小さな精密機械、ハエの驚異の能力

“五月蠅い”と書いて「うるさい」。ハエは、ブーンと飛び回り、病原体を運ぶ厄介者です。
一方で、ハエは昆虫界屈指の飛翔能力を持つ生き物です。はねと呼べるのは前羽の2枚だけで、後ろ羽は体の揺れを感知する精密なジャイロスコープ「平均棍」に進化しています。平均棍のおかげで、ハエは空中で停止(ホバリング)したり、危険を感じて急に方向転換したり、交尾をしながら自由に飛び回ったりもできるのです。
さらにハエは、生き物のフンや腐敗した死骸があればすぐにやってきて大量に卵を生み付け、生まれた幼虫(ウジ)が旺盛な食欲で食べ尽くし、あっという間に土にかえしてしまいます。また、花の蜜を餌とするハエは花から花へと飛び回り、植物の受粉も助けてくれます。
騒々しいハエですが、実は進化を極めた小さな精密機械であり、私たちの地球の生態系に欠かせない力強い存在でもあるのです。