害虫コラム

「特定外来生物」のアリ、
日本に侵入中!

「特定外来生物」は、海外起源の外来種で、人の生命や身体、農林水産業への被害を及ぼすもの、又は及ぼす恐れがあるものの中から指定されます。
近年生息地の拡大や日本での初確認や定着など、問題となっています。
日本には海外から運ばれてくる積み荷やコンテナなどにより侵入したと考えられ、近年特に問題となっている2種類のアリを紹介します。

アルゼンチンアリの生態

原産 南米(日本では1993年に初確認)
形態 2.5~3mm程の小型のアリ。
遠目に見ると黒っぽく見えるが、よく見ると褐色でやや透明感のある体色。
生息場所 ブロックやプランターなどと地面のスキマ、コンクリートの割れ目など、すでにあるスキマや比較的人手の入った環境を好む傾向にある。
生態特徴 一般的なアリと異なり、一つの巣に多数の女王アリが存在するため、繁殖力が強く、日本の在来アリを駆逐するほどの勢いで増えるので、生態系への影響が生じる。
また侵略性も高く、集団で家屋の中に侵入し食べ物にたかったり、部屋中を歩きまわるなど、人にストレスを与える。

ヒアリの生態

原産 南米(日本では2017年に初確認)
形態 2.5~6mmと、様々な大きさの働きアリがいる。
体色はつやつやとした赤褐色で、腹部の色は暗め。
お尻に毒針を持つ。
生息場所 公園や草地など、開けた温かい場所を好む。
生態特徴 土で作られるマウンド状のアリ塚(巣)が目印。
ヒアリは攻撃性が高く、アゴを使って敵にしがみつき、お尻の毒針で刺す。
毒針で刺されると痛みと共に紅班膿疱(赤いブツブツ)が生じる。
ハチ毒に対してアレルギー体質の人は、強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こす恐れがある。

アルゼンチンアリやヒアリを見かけた際は不用意に近づかず、
地方環境事務所等に連絡してください!