金鳥の蚊取り線香、キンチョールに関する資料が、次世代に継承すべき技術として、登録・認定されました金鳥の蚊取り線香、キンチョールに関する資料が、次世代に継承すべき技術として、登録・認定されました

国立科学博物館

重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)

国立科学博物館※1 が定めた登録制度によって選定、登録された資料。日本の科学技術の発展を示し、国民生活・経済・社会・文化の在り方に顕著な影響を与えた貴重なものとして、その資料の保存と、先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的とし、2008(平成20)年から始まった制度。

※11877(明治10)年に創立された日本で最も歴史のある博物館の一つであり、国立唯一の総合科学博物館

【 世界初の除虫菊を含む蚊取り線香 】

(2013(平成25)年登録 第00135号)

ご参考サイト

日本化学会

化学遺産

公益社団法人日本化学会※2 化学遺産委員会によって認定された資料。日本の化学と化学技術に関する重要な資料を保存し、文化遺産・産業遺産として次世代に伝え、化学分野の技術と教育の向上、化学工業の発展に役立てることを目的とし、2010(平成22)年から始まった制度。

※21878(明治11)年に創立され、会員約3万名を擁する日本最大の化学研究者の学会

【 日本における殺虫剤産業の発祥を示す資料 】

(2017(平成29)年認定 第041号)

ご参考サイト

未来技術遺産・化学遺産 共通登録資料

棒状蚊取り線香「金鳥香」

世界初の蚊取り線香。仏壇線香の製造法を利用。長さ20cmで約40分燃焼、数本を同時に用いた。

製作年:1911(明治44)年~1914(大正3)年

渦巻型蚊取り線香「金鳥の渦巻」

世界初の渦巻き型蚊取り線香。長時間燃焼、さらにダブルコイル方式によって、搬送時の折れや輸送コストの低減が実現された。

製作年:1919(大正8)~ 1925(大正14)年

「除虫菊栽培書」

除虫菊の栽培を奨励した手引書。
日本の除虫菊生産が世界一になることに貢献した。

製作年:
[左]1896(明治29)年版
[右]1918(大正7)年版

渦巻型蚊取り線香試作木型

渦巻型蚊取り線香の試作段階の道具。しかし、大量生産に不向きの為、実生産の採用には至らなかった。

製作年:
1895(明治28)年

当時の様子

手巻き風景

機械式手巻き線香用押し出し機

蚊取り線香の原料をうどん状に押し出す機械。押し出したもの2本をまとめて手で巻き、渦巻状に加工した。

製作年:1910年頃(明治末期)~1957(昭和32)年頃まで使用

未来技術遺産 登録資料

ロシア語・中国語

中国語

英語

ポルトガル語

インドネシア語

戦前の海外向けポスター群

戦前に蚊取り線香など除虫菊製品を世界中に輸出していた時のポスター。

製作年:1930(昭和5)年~1940(昭和15)年頃

木製線香突き

棒状の仏壇線香を製造した押し出し機。

製作年:1902(明治35)年頃

化学遺産 登録資料

エアゾール殺虫剤

精製した除虫菊エキスを用い、日本で初めて商品化されたエアゾール殺虫剤。

製作年:
[左]1952(昭和27)年
[右]1960(昭和35)年頃

ピレトリン類のアルコール立体部分構造解明に関わる実験ノート

勝田純郎博士によって、未決定だったアルコール部分の絶対配置が決定され、ピレトリン類の化学構造の全貌が明らかになった。これを基にその後多くの合成ピレスロイドが発明され、様々な新しい殺虫剤の開発につながった。

製作年:1958(昭和33)年前後に使用

日本の殺虫剤産業は、弊社創業者の上山英一郎と除虫菊との出会いから始まり、有用な化学製品である世界初の蚊取り線香やエアゾール殺虫剤の製品化、ならびに除虫菊に含まれる有効成分・ピレトリン類に関わる化学的研究を礎として現在に至っております。

現在の家庭用殺虫剤の有効成分には、主として合成ピレスロイドが使用されていますが、天然、合成のいずれであっても除虫菊由来のピレスロイドは、昆虫に対する優れた殺虫活性と人畜に対する安全性を兼備するという特長を有し、時代のニーズに応えた製品開発と関わりつつ快適な環境づくりに貢献しております。

また弊社は、ピレトリン類のアルコール部分の絶対構造を決定してその化学構造の全貌を明らかにしたことに加え、フラメトリン、プラレトリン、フェノトリン、フルバリネートやシラフルオフェンなど、数多くの合成ピレスロイドを開発し基礎研究分野でも世界をリードして参りました。

この研究の成果が、例えば現在の「キンチョウリキッド」につながる液体電子蚊取り「キンチョウエイト」、ニオワない衣料用防虫剤「ゴン」、シラミ駆除剤「スミスリン®Lシャンプータイプ」や空間用虫よけ剤「虫コナーズプレートタイプ」など、様々な新しい殺虫剤の開発につながりました。

今後もこれに奢ることなく、金鳥ブランドに誇りを持ち、一歩先を行く製品づくりに挑戦していきます。