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工場長に聞く(詳細な話コース)

なぜ渦巻き型をしているのでしょうか?

明治23年、仏壇線香にヒントを得て棒状に固めたものが創案されましたが、1本では40分程度しかもたず、長時間の使用には耐えぬものでした。また、細いため効力も弱く、輸送の途中で折れやすいという欠点もありました。そこで、研究工夫の末、もっと長時間使えて効力を高める方法として、明治28年「金鳥」初代社長上山英一郎の夫人の発案で現在の渦巻型になったのです。

渦巻型の打抜き道具(試作)
なぜ緑色をしているのでしょうか?

蚊取線香は、粕粉(除虫菊の有効成分を取り去った後の粉)、木粉などの植物性粉末や粘結剤としてタブ粉、澱粉を混合し、有効成分のピレスロイド系殺虫剤「アレスリン」を加えたものから構成されております。それらを混合すると茶色系統の色になり、これを染料を使って緑色にしています。なぜ緑色にするかというと、茶色系統の粉に対してムラなくきれいに染まる色の1つであることと、蚊取線香ははとんどが暑い夏に使用されますので、 涼しい色にということ。また蚊取線香ができるまでは、虫よけに「蚊遣り」といってヨモギの葉などの草の葉を燃やしていました。その草の葉の色をイメージしたのも緑色にした理由の一つです。

蚊取線香は、どうして遅く(ゆっくり)燃えるのか?

線香が燃えるのには、空気(酸素)が必要なのですが、線香の断面(線香が燃えている部分)はあまりスキ間があいていませんから、線香の中に空気(酸素)があまり入ってなく、そのためにゆっくり燃えるのです。(酸素との接触が小さい)ちなみに「金鳥の渦巻」1巻は、長さ75cm、重さ13gです。もし、「金鳥の渦巻」と重さ以外の条件(かたち、材料、太さ、長さなど)が同じで、重さが軽い(密度が小さい)線香があれば、線香の内、外も空気にふれやすくなるわけで早く燃えるはずです。

蚊取線香の煙の成分は?

煙は主に炭素です。しかし二酸化炭素、酸素、水、ヤニ等が含まれています。

蚊取線香の燃える時の化学式は?

蚊取線香が燃える時の化学式とひと言でいっても、これは燃える時の条件等に よって微妙に変わり、いちがいには言えませんが、「燃える」ということは、「酸化反応」ですので、もし完全燃焼した場合は、C,H,Oによる構成+O2→CO2+H2Oとなるはずです。
しかし蚊取線香の燃焼は煙が出ます。これは不完全燃焼しているからなのです。ですからこの場合は、C,H,Oによる構成+O2→O2+C+CO2+CO+H2O+C,H,Oとなるのです。

なぜ、「金鳥の渦巻」は左巻なのでしょうか?

昔、かとり線香は手で巻いて作っていたので、当時は右巻でした。
昭和32年(1957年)頃から機械で打ち抜くようになり、他社品は右巻が多かったので、区別するために左巻にしました。

なぜ、蚊取線香の灰が切れてしまうのか?

蚊取線香を線香皿(金鳥の渦巻缶入の線香皿)を使って燃やした場合、蚊取線香が燃えたあとの灰は、蚊取線香本体にひっついていこうとする力と、線香皿に敷いてある白いマットに蚊取線香が接し、灰をそのままの位置にとどめようとする力(摩擦力)の2つの力が働きます。初めのうちは、ひっつく力が強いのですが、ある程度の長さになると摩擦力の方が強くなり、そこで灰が切れてしまうのです。これが繰り返し起こるので、ある程度の長さで切れている灰が連続して残るのです。線香立の場合も同じ考え方で、灰がひっついていこうとする力と灰の重さで下に落ちようとする力が働き、下に落ちる力が強くなった時、灰が切れて落ちていきます。それが繰り返し起こります。

なぜ蚊取線香で蚊が死ぬのでしょうか?

除虫菊(シロバナムシヨケギク)の花に含まれているピレトリンという成分は、殺虫効果を持っています。そのピレトリンを化学的に合成したものがピレスロイドと呼ばれており、蚊取線香の中にはこのピレスロイドが含まれています。蚊取線香は、ピレスロイドを粕粉や木粉などの植物成分に混合し、燃やすことによって有効成分のピレスロイドを極細微粒子として空気中に浮遊させ、長時間殺虫効果を維持できるようにしたものです。燃焼部分の温度は約700℃で、ピレスロイドは先端から6〜8mmの部分(約200℃)から揮散し、かなりの時間空中に浮かんでいます。従って、どのようなせまいすき間にも届き、タンスのうしろや部屋の隅に潜んでいる蚊を殺すことができるのです。殺虫剤が虫の体内に入る方法として、食物とともに口から、体表(皮フ)から、呼吸をする気門からの三つのルートがあり、虫の体内に入った殺虫剤は呼吸を止めるか、神経を攻撃して虫を殺します。
ピレスロイド系の殺虫剤は、その中でも虫の体表(皮フ)から体内に入り、神経を攻撃して虫を興奮させ、やがてケイレンを起こしマヒ状態となって死んでいくのです。しかし、虫にはよく効くピレスロイドも、人間や温血動物に対しては体の中で速やかに分解し、無毒化され、体外に排出されてしまうので安全です。これは温血動物が持っている酵素の働きによるもので、昆虫ではこの働きが弱いため殺虫効果が発揮されるのです。このような毒性を選択毒性といいます。この選択性を持っているのはピレスロイドだけで、有機リン系や有機塩素系の殺虫剤は選択性がないので、温血動物の体内で分解されにくく、毒性がピレスロイドよりも高くなります。このような働きをするピレスロイドを含んだ蚊取線香は、燃焼時間中絶えず一定の有効成分を空中に連続的に放出して、殺虫効果を保持しているのです。

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